1. 栄養機能性成分の分布に関する研究

農畜産物の栄養機能性成分、並びに毒性成分の分布に関する知見は栄養機能性素材の開発および効率的摂取、高品質品種の育種、並びに食の安全性確保などに重要です。本研究室では、これら成分を中心に質量分析イメージングを用いた可視化手法の開発、並びに分布解析を行っています。
これまで栃木の主要農産物であるイチゴ'とちおとめ’のポリフェノール、糖、有機酸、アミノ酸、およびビタミンCの分布を明らかにしてきました。ポリフェノール分子種は、アントシアニン、フラバン-3-オール、フラボノール、エラジタンニン、およびエラグ酸と主要なものは一通り成功しました。また、豚肉の主要な4種のリン脂質と機能性ペプチド、並びに豆類のジャスモン酸関連分子やアブシシン酸などの植物ホルモンの分布可視化も行っています。

2. 機能性成分の体内動態に関する研究

機能性成分の生体への影響を解明するためには、摂取成分が腸管吸収され体内でどのような動きをし排出されるのか(体内動態)を理解することが重要です。本研究室では現在、モデル動物を用いて体内動態解析への質量分析イメージングの応用を進めています。

3. 機能性食品成分の検索に関する研究

農畜産物には多種多様な成分の存在が報告されていますが、多くは機能性が不明です。本研究室では、疾病予防作用の基盤である抗酸化作用および抗炎症作用を中心に、培養細胞を用いた機能性成分の検索を行います。