本研究室では、質量分析イメージング(MSI)を基盤とした空間分子解析により、食品・植物・微生物および生体における分子の空間分布と機能との関係を解明し、食品の品質・機能性・安全性の理解と基礎生命科学の発展、さらには社会実装を両立する研究を展開しています。

特に、分子の「存在場所」と「機能」を統合的に捉えることで、食品機能および生命現象の本質的理解を目指しています。また、質量分析技術の高度化と人材育成にも貢献します。

 1. 食品・植物成分の空間分布解析と品質評価 

 食品および植物に含まれる栄養機能性成分や有害成分の分布は、品質や機能性、安全性に大きく影響します。
 本研究では、MSIを用いて組織内の分子分布を可視化し、成分の局在と機能発現との関係を分子レベルで解明します。
 また、植物代謝産物の局在解析を通じて、環境応答や成分生成機構の理解を目指します。  

 

 2. 食品機能性成分の体内動態と生理機能解析 

  食品機能性成分の健康影響を理解するためには、体内における空間的な分布と動態の解明が不可欠です。
 本研究では、モデル動物を用いたMSIにより、機能性成分の吸収・分布・代謝過程を可視化し、生理機能との関係を明らかにします。  
 

 3. 植物由来機能性成分の探索と分子機構解析 

 植物には多様な二次代謝産物が存在しますが、その多くは機能が未解明です。
 本研究では、質量分析と細胞評価系を組み合わせることで、機能性成分の探索と作用機構の解明を行い、食品機能および健康科学への応用を目指します。 
 

 4. 微生物と食品・植物成分の相互作用解析 

 微生物は食品品質形成や植物代謝に重要な役割を果たします。
 本研究では、微生物による成分変化を質量分析により解析し、代謝変換および機能発現の分子機構を解明します。
 特に、発酵や腐敗に伴う空間的な分子動態に着目し、食品加工や発酵プロセスの理解と制御への応用を目指します。 
 

 5. 食品構造・成分分布と物性(食感)の統合解析 

 加工食品の食感は成分分布や微細構造と密接に関係しています。
 本研究では、MSIによる分子分布解析と物性評価を組み合わせ、構造・成分・機能の関係を統合的に理解し、高品質食品の設計や食品開発への応用を目指します。